2011.10.24更新

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先天性心疾患・構造異常 / 心電図異常・不整脈 / 心筋炎 / 肥大型心筋症
希少疾患 / 症候群と心筋疾患 / 拡張型心筋症・拘束型心筋症

拡張型心筋症・拘束型心筋症

座長:白石公(国立循環器病研究センター 小児循環器科)


VSDを合併したDCMの1乳児例

  大阪市立総合医療センター 小児医療センター 小児循環器内科 平野恭悠、村上洋介、小澤有希、江原英治
  同 小児心臓外科 木戸高志、前畠慶人、川平洋一、西垣恭一
  同 小児不整脈科 岸本慎太郎、吉田葉子、鈴木嗣敏

【症例】2か月、 女児。 父MS、VSD。1か月時、体重増加不良を指摘。2か月時、哺乳不良、多呼吸、心拡大認め、心不全疑いで入院。UCG:VSD(2)、PH、parachute MV、EF0.25、LVDd 27.8mm、冠動脈起始異常(-)。milrinone、利尿薬投与も心機能改善(-).代謝系異常(-)。3か月時、心臓カテーテル。LVEDV296 % of N、LVEF22%。RVEDV216% of N、RVEF 32%。Qp/Qs 3.12、Pp/Ps1.0、PAR 4.7u・m2、CI 2.2L/min/m2。冠動脈起始異常(-)。PAB施行も心不全改善せず、VSD 閉鎖術。術後、EF0.30台で経過しATありpropranolol投与。42日間ICU管理。sleep apnea にHOT導入、8か月時退院。現在、利尿薬、carvedilol、propranolol、enalapril、digoxin投与。EF0.30台で経過。



白血病への化学療法後に発症した拘束型心筋症に肺高血圧を合併した一例

  東邦大学医療センター大森病院 小児科 嶋田博光、直井和之、池原聡、中山智孝、松裏裕行、佐地勉

【症例】11歳男児。
【経過】6か月時にAMLを発症し化学療法を受けた(ADM:計225mg/m2)。4歳時に心不全を発症。心拡大と%FS(0.05)を認め、DCMと診断された。利尿薬とACE-Iで安定したが、8歳時に肺高血圧が発見された。PAp 60/27/43mmHg、PCW 25mmHg、CI 3.6。CTで血栓および肺疾患は否定された。8か月後はPAp 50/25/37mmHg、PCW 13mmHg、LVEDP 13mmHg、Rp 9.9 U・m2。酸素負荷でPAp 42/21/30mmHg、Rp 3.3U・m2と良好な反応を示したが、LVEDPが20mmHgと上昇した。エコーで%FS 0.2-0.4、EF 40-70%、E’/e’>10、E/A>2.0と拡張障害を認めた。肺血管拡張薬にβブロッカーを追加して観察中である。
【考察】ADMの心筋症が拡張型から拘束型に進行し、肺高血圧を呈する極めてまれな症例と考えられた。



ミトコンドリア呼吸鎖異常による心筋症の一例

  千葉県こども病院 循環器科 高田展行、東浩二、中島弘道
  同 代謝科 川内恵美、村山圭

【諸言】ミトコンドリア呼吸鎖活性低下による心筋症を報告する。
【現病歴】感音性難聴、成長発達遅滞、低アルドステロン症あり、1歳2カ月時に精査目的で当科紹介。
【初診時所見】血圧100/40mmHg、心音整・雑音なし、肝触知せず、筋緊張低下、心電図:右軸偏位・右室肥大、I-T波平低、胸部Xp:心胸比58%、心エコー:LVPWd8.5㎜(185%N)・LVEDV36.7ml(185%N)、LVEF52.9%、血液検査:CK564IU/l、乳酸30.27mg/dl
【経過】皮膚線維芽細胞のミトコンドリア呼吸鎖活性の低下を認め、ミトコンドリア心筋症と診断。補酵素、利尿剤・ACEI・β遮断薬内服にて経過観察も、心筋症の悪化あり。感染を契機に心不全増悪し、2歳で永眠された。心筋needle autopsyを行い、complex1+4の酵素活性低下を認めた。
【結語】多臓器症状を伴う心筋症はミトコンドリア異常を鑑別すべきである。



拡張型心筋症に対しECMOを使用した3例の検討

  神奈川県立こども医療センター 循環器科 潟山亮平、上野健太郎、中村英明、柳貞光、上田秀明、康井制洋

当院で重症心不全のためにECMOを装着された症例のうち最終的に拡張型心筋症(DCM)と診断された症例3例を検討する。小児の末期的心不全治療としての適応、ブリッジとしての機械的循環補助の役割、心臓移植の考慮時期について検討する。
【症例1】14歳男児。CTR70%、LVDd=73mm、EF15%。心筋炎としてECMO開始。血清CK値・トロポニン上昇なく心筋炎は否定的で後日の心筋生検でDCMと診断。ECMO7日間で離脱。βブロッカー・ACEI内服で治療2カ月後にCTR 56%に改善。
【症例2】10か月女児。CTR60%、EF10%、トロポニンT陽性(定性)より心筋炎と考えECMO開始。心筋生検でDCMと後日診断。ECMO6日間で離脱。2か月で退院。
【症例3】7か月女児。CTR59%、EF 21%。心筋炎を否定できずECMO開始。ECMO6日間で離脱。以後カテコラミン中止とすると心不全悪化あり入院後2か月で永眠。

日本小児心筋疾患学会事務局

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